品番:RZCM-46041
2008.11.19発売
販売元 エイベックスマーケティングコミュニケーションズ
Info : www.commmons.com
最近まで映画『ブローバックマウンテン』のサントラ"King of the Road"のルーファス・ウエインライトにはまってました。あのジャズの後に見つけた、これまた幸せなジャズ。ジャズのイメージを更新する、これはまさしく名盤です。
高見一樹(intoxicate / EWEディレクター)
二年前に制作された、
歌手&編曲家という設定のコンビによる、
二十世紀ポピュラーミュージック集。
このアルバムが似合う季節に、やっと発売です。
青柳拓次(TAKU)
ラジオ(AM)のように、ようさ? ようだ!!(音が)
と言うわけで、
レディオ・インディゴ。
よろしく
伊藤ゴロー(GORO)
TAKU & GORO
青柳拓次(リトル・クリーチャーズ、KAMA AINA)と伊藤ゴロー(ムースヒル、naomi & goro)の新ユニット「TAKU & GORO」。 ロック、ポップスフィールドなどで精力的に活動する二人によるジャズ・ヴォーカル・アルバム。青柳拓次のソフトでストレートな歌声 と、伊藤ゴローのアレンジにより、なんとも絶妙なジャズ・ポップス・アルバムができました。土岐麻子さんがゲストヴォーカルで参加!! 秋~冬にかけての季節にまさにぴったりのアルバムです!
1. Look For The Silver Lining (B. G. DeSylva / Jerome Kern)
2. Mood Indigo (Ray Eberle, Irving Mills, Albany Bigard, Duke Ellington)
3. The Way You Look Tonight (Dorothy Fields. / Jerome Kern)
4. Havana Moon (Chuck Berry)
5. I've Got You Under My Skin (Cole Porter)
6. Time After Time (Heyward Dubose / George Gershwin)
7. Johnny Guitar ( Peggy Lee / Victor Young)
8. Once I Loved - Amor em Paz (Vinisius De Moraes / Antonio Carlos Jobim )
9. After Hours (Lou Reed)
10. Moulin Rouge (Jacques Larue / Georges Auric)
青柳拓次:Vocal, Conga (tr.7)
伊藤ゴロー:Classical Guitar , Electric Guitar , Vibraphone
菱山正太:Piano
Steve Sacks:Clarinet , Soprano Sax , Alto Sax
一本茂樹:Bass
菅沼雄太:Drums , Percussion
Guest Vocal:土岐麻子 (Tr.3)
Produced, Arrangement:伊藤ゴロー
写真:和田直美
Art Work & Design:Ed TSUWAKI
TAKU&GOROによる曲解説
1:Look For The Silver Lining
ジャズヴォーカルで最も影響をうけたのが、チェット・ベイカー。 パンクばかり聴いていた十代の耳でも、秘めた過激さが聴きとれたものです。(TAKU)
2: Mood Indigo
デューク・エリントンの名曲。この曲を録ってプレイバックした時に、アルバムの雰囲気がようやくみえてきました。(GORO)
3:The Way You Look Tonight
ブラザーズ・フォーのアルバムで出会った曲。二声のヴォーカルラインの見事さに感激し、土岐さんとのデュエットで再現を試みました。(TAKU)
4: Havana Moon
チャック・ベリーのロックン・ロールです。ツーコードで押し切る楽想はやはりラテンの影響でしょうか。今日のロックには、彼のロックン・ロール製造過程で取り入れられた、南米のビートが隠れています。勉強になります。(GORO)
5:I’ve Got You Under My Skin
いつだったか、在りし日のデタミネーションズのライブで体験した名曲。333DISCSレーベルオーナーである葉子さんのリクエストナンバー。(TAKU)
6: Time After Time
チェット・ベイカーの歌もいいけどTAKUちゃんの声もいいですよ。Time After Timeは繰り返し何度も、といった意味。 (GORO)
7:Johnny Guitar
ラジオで偶然この曲にめぐりあい、いつか歌いたい、とおもっていました。こういったマイナーコードの曲が、実はとても好きです。(TAKU)
8: Once I Loved - Amor em paz
ジョビンが書いた曲です。ドラムの菅ちゃんから借りてヴィブラフォンを叩きました。そう言えばあのヴィブラフォンは何処行ったのでしょうか。 (GORO)
9:After Hours
作曲家志望だったルー・リードの洒落た小品。 原曲を歌うモー・タッカーは、声もドラムもいい塩梅。雰囲気だけでも音楽は魅力的に響くという証。(TAKU)
10: Moulin Rouge
最後はフランス六人組の作曲家ジョルジュ・オーリックがロートレックの生涯を描いた映画『赤い風車』の為に書いた超名曲。(GORO)
TAKU&GORO [Radio Indgo]について
● ピアノ:菱山正太さん
レコーディングのときの、あの居心地の良さ、それがちゃんと音になっていると思います。物思う隙間のある、素敵な音楽です。
● クラリネット、サックス:Steve Sacksさん
GOROさんとのレコーディングは、いつもたくさんのsurpriseがあります。と言っても、Chet BakerやNat King Coleが大好きな歌手TAKUさんのセッションに参加することになるとは思いませんでした。いつものスタジオのノンビリした雰囲気で、オペレーターはいつものコスモさんで、いつもの素敵なミュージシャンに囲まれて、私には楽しくて気持ちよいレコーディングでした。皆様にこのCDを通してそういう雰囲気が伝わるように、願っています。
「Mood Indigo」
こういう雰囲気でクラリネット・ソロを吹くのは、最高に楽しいです。実は先月、私の夢の一つを叶えてもらって、Duke Ellington Orchestraの日本ツアーに参加させてもらい、毎晩この曲を演奏しました。
「Moulin Rouge」
30年以上前パリに住んでいて、旧ムーラン・ルージュの近くのカフェでよく演奏していました。ゴローさんのこのアレンジは伝統的なシャンソンとは違うけど、ソプラノ・サックスに合っています。
● ベース:一本茂樹さん
暖かい、柔らかい、のんびり、そんな感じです。
● ドラム:菅沼雄太さん
この録音のために用意された、いくつかの古いマイクが、皆さんのすばらしい演奏に更に彩りを添えるアジな演出になったのではないかなと感じています。参加できた事に感謝しています。ありがとうございました。
● ゲストヴォーカル:土岐麻子さん
ブースに入って、一声発してみて、驚いた… なんだ!この、古いレコードのようなかっこいい声は!!
いままでに聴いたことのない自分の声。
聞けば、ヴィンテージのマイクを使っているのだという。
それもチェット・ベイカーの『SINGS』のジャケットに映っているマイクと同じもので、年代もその頃のものなんだとか。 なんともいえない暖かい音がする。 マイクもマニアックなら、サウンドも、青柳さんのボーカルも、随分とマニアックを感じさせてくれて、思わずニンマリ笑ってしまうくらい素敵。 音楽への愛情がつまっている、暖かくてチャーミングなアルバムです。
○TAKU&GOROのお勧めジャズアルバム3枚
青柳拓次のお勧めジャズアルバム3枚
●セロニアス・ヒムセルフ/セロニアス・モンク モンクで行き着くところはソロピアノ。高校時代からの愛聴盤、ということは一生聴けるかな。
●コール・エスパニョール/ナット・キング・コール
ジャズではないですね。ラテン音楽を歌ったアルバム。嫌みが一切無い、完璧なヴォーカル。
●1961/ジミー・ジュフリー
ゴローさんより推薦の一枚。当時の前衛的な部分が、いまとってもエレガントに聴こえます。
伊藤ゴローのお勧めジャズアルバム3枚
● アンダーカレント/ビル・エバンス&ジム・ホール インタープレイとはまさに、この二人が作ったと言って良いのではないでしょうか。
● アランフェス協奏曲/ジム・ホール
一番よく聴いたジャズのアルバムと言ったらこれです。小さい音で、ひっそり一人で聴くんです、はい。
●ANA/ラルフ・タウナー
フェイヴァリット・ギタリスト、ラルフ・タウナーのギターソロのアルバム。 いつかこんなアルバム作ってみたいな。
○ 菱山正太さんのお勧めジャズアルバム
You Must Believe in Spring / BILL EVANS
とても切ないピアノ、そんなのが聴きたい人におすすめ。
○ スティーブサックスさんのお勧めジャズアルバム
Wild Flower / Hubert Laws
私が一番大好きなジャズ・フルート奏者のベスト・アルバムです。全くアコースティックな弦楽器のみの伴奏で、幅広いジャンルの曲(フォーク・ソングからジャズ・バラードまで)お洒落なメロディーとノリノリなアドリブを吹いてくれます。
○一本茂樹さんのお勧めジャズアルバム
Tares Of Another / Gary Peacock
緊張感+暖かさ 景色が浮かびます。
○菅沼雄太さんのお勧めジャズアルバム
cross country tour:1958-1961 / Ahmad Jamal Trio
AHMAD JAMAL,piano; ISRAEL CROSBY,bass; VERNEL FOURNIER,drums 自分の知っている数少ないピアノトリオの中で、もっとも再生回数の多いアルバムです。うまく表現できませんが、3者の関係、静と動、雰囲気など、自分にとっては全てがすばらしいライブ盤だと思います。映像もまたすばらしいもので、特にVERNEL FOURNIERの完璧に撫でつけられた髪型と口髭、ブラシプレイは永遠の憧れです。
○土岐麻子さんのお勧めジャズアルバム
Come Swing With Me / Beverly Kenney
28歳の若さで亡くなった彼女の歌手活動は5年ほどで、あまり残されている音は少ないものの、どれも本当に素敵。ストレートで明るくて可愛くて、ちょっとユーモラス。コンガと歌だけの「It Ain't Necessarily So」は何度聴いてもスリリングでときめきます。もっとたくさん聴きたい!
TAKUこと青柳拓次。1990年にリトル・クリーチャーズでデビューしDouble Famous、KAMA AINAなど多くのプロジェクトを同時進行させるシンガー・ソング・ライター。最近はテキストやヴィジュアルと表現媒体を多様化させつつ、昨年初の全曲日本語詩による青柳拓次名義でのソロ・アルバム『たであい』をリリース、各方面から高い評価を得た。
そしてGOROこと伊藤ゴロー。ムース・ヒル、そして布施尚美とのユニットnaomi & goroでボサノヴァを研究・再構築プロジェクトを展開する「達人」ギタリスト/プロデューサー。ここしばらくは原田知世のアルバム、ツアーのプロデュースやCM音楽へと活躍の場を拡げている。
この二人が顔を揃えた新ユニット、TAKU&GORO名義による初めてのアルバム『RADIO INDIGO』が完成した。naomi & goro直系のシンプルなユニット名とは裏腹に(?)、ジャズやボサノヴァ、ポップスの極めつけの名曲たちを数多く収録した、ジャズ・テイストの強い芳醇なカヴァー・アルバムである。 オリジナルは50-60年代アメリカで発表されたヒット曲が多くを占める。フランク・シナトラやフレッド・アステア、ジュディ・ガーランドやデューク・エリントンといった、誰もが知るアーティストによる名曲群。ジミー・スコット、チェット・ベイカーといった、大切な人にとってはどこまでも大切な“歌”の数々。そしてペギー・リー(ニコラス・レイの『大砂塵』!)、フランス六人組の一角を成すジョルジュ・オーリックの『赤い風船』といった、名作映画の名シーンを彩ったあの曲たち。さらに50年代アメリカとエレクトリック・ギターのロマンティシズムとエキゾティシズムとを担ったチャック・ベリー、そしてアメリカ60年代の終わりを告げたヴェルヴェット・アンダーグラウンドまで。 青柳拓次の甘くソフトでありつつもどこまでも清潔な歌声には、伝説のシンガーたちの影や姿がいくつか見え隠れしていたことに改めて気付かされる。まさしくチェット・ベイカーやジミー・スコットから、『MAX'S KANSAS CITY』のルー・リードまで。それらはどこかポップス独特の悲しみと美しさとを湛えつつも、いつまでも輝きを失うことはないだろう。このアルバムは、当時のポップスが持ちえたその不思議ななにかに捧げられた作品のように思える。過去から受け継がれつつ未来へと残される、その不思議ななにか。ちなみにルー・リードは50~60年代にアメリカで名曲を数多く残したドック・ポマスに捧げた91年のアルバム『Magic and Loss』でジミー・スコットと共演している。 もちろん伊藤ゴローの過不足ない、しかし実は繊細なガラス細工のようにどこまでも磨き込まれたアレンジメントにもぜひ耳を傾けてほしい。また「達人」としてのボサノヴァ・ギターはもちろん、特に今回は久々に聴かせた黒光りするエレクトリック・ギターを。その意味で、ジョビンを歌ったシナトラの「Once I Loved- Amor em Paz」、チャック・ベリー「Havana Moon」のカヴァーは聴きものである。 粋としか言いようのないウッドベースとハイハットにピアノが幕を開くこのアルバム、冬の夜に暖炉とともにラジオからのスタンダードに耳を傾けながら見る夢のような趣がある。その夢は様々な彩りと記憶とを辿りつつ、「Afterhours」で一度扉を閉めてみせる――しかしこの夢には続きがある。あの映画のように、赤い風船 - Moulin Rouge - が降りてきて聴く者を一気に空へと連れて行くだろう。もはや瞼の裏でしか見られないようなこの趣を、今のポップスに期待することは難しい。このコンビとこの名曲群でしか表現できなかったと思しき、どこまでもロマンティックなアルバムである。
SLOGAN代表 熊谷朋哉
TAKU&GOROのジャズヴォーカルアルバムを出します!と言ったときに「あの拓哉とあの吾郎ですか?すごい!」と驚かれました。予想もしていなかった反応に私の方が驚きました。またそのすぐ後08年10月に伊藤ゴローと布施尚美のボサノヴァデュオnaomi & goroで韓国へライブに行った時「goroはあの吾郎さんではないんですか?」と韓国語で質問されました。。。 どちらの時も「そうだったらよかったかも、」と少しの時間思いましたが、いえいえ、内容は負けず劣らず(←何に)素敵なアルバムができました。冬の寒い中(スタジオは暖かかったけれど)、そしてタイトなスケジュールの中、ヴォーカルブースと、バンド用の部屋が1つ、あーだこうだと言いながら一発録りで録音しました。ゲストで1曲デュエットしていただいた土岐麻子さんのヴォーカルも、そよ風みたいにさわやかでとても素敵です。 TAKU&GOROの「Radio Indigo」を愛聴盤に仲間入りさせていただけると嬉しいです。レッツ・シンギン!(333DISCS伊藤葉子)